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sunset~君の光になりたい
第3章 雨は涙色

「そういや、ぶっ倒れたっていう店員の子大丈夫だったんか?」

 ベースの武彦が、両目に被さる長さの黒髪を指で掻き分けながらヒロに訊ねる。

「さあな」

 ヒロはつい先程までその事を考えていたのを悟られたような気がしてギクリとした。
 それを隠すように、わざとそっけなく答える。
 すると、銀川に後ろから首を締められた。

「げっ……何すんだ!」
「ヒロ!吐け!」
「何をだよ!」
「その子になんかしたろ?ああん!?」
「なんもしてね――わ!」
「"インストア前日に店に挨拶に行く"
 とか言っちゃってよ――!その子が目当てやったんか――?このスケベ!」
「違うって言ってるだろうが――!うるさいわ!」

 武彦やオーちゃんまでが、銀川に同調してニヤついた顔で口笛を吹いたりしている。
 ヒロはまともに相手をするのが面倒になり、言い返すのをやめ、プイと顔を背けヘッドフォンを被り騒音をシャットアウトした。


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