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sunset~君の光になりたい
第4章 粟立つ気持ち

「そういえば、thunderのベースの人も武彦ていうのよ」
「そうなの?里沙の大好きなOVEREARTH(オーバーアース)のドラムのタケヒコ様と同じ名前!これって何かの運命?」
「きゃー素敵!でもでも私の運命の男はタケヒコ様だけだから――!」

 キャッキャと笑っていたら、ドアをノックの音とともに里沙の母の声がした。

「あんた達!そろそろ店に来てスタンバイしてね!メンバーが着いたって、連絡があったわよ!」
「は、はーい!」

 二人は同時に返事をした。

「行こ!」

 千波は頬を少し赤くしてクッキーの袋を手に、先頭きって控室を小走りで出て行った。
 千波を追いかけながら、里沙は嬉しい気持ちと同時に不安も沸き上がってきたが、すぐに打ち消した。

 (大丈夫、きっと千波は普通の女の子と同じようにいつか幸福になれるはずだよ……)

 小走りしながら、祈っていた。

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