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sunset~君の光になりたい
第6章 君に贈るphrase
――ああ、やっぱりライブは楽しい。
一年振りの客を前にしての四人での演奏。
ヒロは、深い感慨と喜びを感じていた。身体中にいつの間にか鳥肌が立っている。
インストアも、れっきとしたライブだ。
ライブハウスやホールで行われる公演は、ほぼ自分達の味方――ファンしか来ないが、こういったショッピングモールでは不特定多数の幅広い年齢層の人達が集まる。
通りすがりの客は、thunderを全く知らないだろう。
買い物に来て、たまたまライヴを見掛け
"面白そう"
と興味を持ってくれたらしめたものだ。
thunderの知名度はまだまだ低い。
世間にガンガンアピールをしていかなければならない。
――俺が事故で右手を大怪我して手術やリハビリをしている間にも、皆は曲を作っていた。俺も歌詞を書いて、四人でスタジオで練習をしていたけれど……
やっぱり、見てくれる人達がいてこその演奏やな!
銀川もオーちゃんも武彦も、楽しそうにプレイしている。ヒロは頬を緩めた。
(でも、この四人の中で一番楽しくて嬉しいのは、間違いなくこの俺や!)