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sunset~君の光になりたい
第6章 君に贈るphrase
ギターを思い切り弾けることが嬉しくてたまらない。自然と身体が動き、やたら飛び跳ねてしまう。
本心では少し――いや、かなりプレッシャーを感じていた。
待っていてくれている人達はどれくらい居るのだろう、と不安だった。
死に物狂いでギターを練習した。
右手が痛むことはもう無い。ギターも、怪我をする前よりも上手く弾けるようになった。
だが不意に、
『ステージでちゃんと出来るだろうか』
という声が頭の中で響く。
だが、前に進むしかない。
メンバーやスタッフ。ファンのために。
だから、知らず知らず肩に力が入っていたのかも知れない。
(でも……そんなのは、昨日と今日のあの子のドタバタで吹っ飛んでしまったみたいや)
ヒロは複雑なリフを鮮やかに奏で、彼女の事を思い浮かべた。