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sunset~君の光になりたい
第6章 君に贈るphrase


 あの子は、またこの曲で、ステップを踏んで踊るだろうか。
 自分の部屋で、黒いつややかな髪を梳かしながら口ずさんだり……
 街の片隅を歩く時、メロディーがあの子の中で回りだして、ショーウインドウに自分の姿を映しながら唇に微かに笑みを浮かべ人目を気にしながら、くるりと回ったり――
 そんな事を思い浮かべると、胸がチクリと痛む。

(そんなあの子を他の人間に見せたくない――)
 唐突にそう思った。

 ヒロは、"sunset"の最後のフレーズを弾きながら考える。
 後で、名前を聞かなくちゃな――と。


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