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sunset~君の光になりたい
第7章 同じ名前の彼は
(千波はヒロさんを好きなの?)
フライヤーを配布しながらちらちらとヒロを盗み見る。
激しく身体を動かし金色の髪を揺らしてギターを掻き鳴らす姿は絵になるし、顔だってものすごくイケメンだ。
(やつはタラシに違いない……千波の初恋がよりによって女泣かせのギターマンなんて!)
勝手にヒロに女泣かせの烙印を押し、千波が好意を寄せた初めての男性が彼だという事を嘆いた。
「thunderの新曲"sunset"は本日完売しましたが、他の旧譜も取り扱っています!
新曲も本日ご注文いただければお取り寄せいたします!」
フライヤーを配りバンドのアピールをし、心の中では毒付いていた。
(この顔面男が!! 何さっ! かっこよくギター掲げて客席にアピールして、キャーキャー言われちゃって!
私はね、金髪の男は好かないのよ!日本男子は黒髪よ!)