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sunset~君の光になりたい
第7章 同じ名前の彼は
「ちょっと……降ろして下さい!」
「歩けないんやろ?」
「うう……はい」
「すんません」
「え?」
「さっきは驚かせて、すんませんでした」
言葉とは裏腹に、武彦の口元が笑っているように、歪んでいる。
「……すみませんって顔に見えませんけど?」
里沙は口を尖らせる。
「いや、悪かったて思うてる」
武彦は、身体を奮わせて、笑いだした。
「ちょっと!」
里沙が怒鳴った時、ペコがまた目を白黒させて楽屋の方から飛んできて叫んだ。
「あんた達!何やってんの!……もううう!昨日から次から次へと……いい加減にしなさーい!」
ペコの形相に、里沙と武彦、そして千波、そして何故か会場の客達までが言葉を失ってしまう。
「はい…………すみません……」
里沙と武彦は、蚊の泣くような声でそれだけ言った。