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sunset~君の光になりたい
第10章 罪作りなtouch
「♪ふーんふーふっ♪ふーんふーっふ♪」

 ペコが、在庫チェックをしながら"THE December"の曲を口ずさんでいる。
 いや、その表現は正しくない。
 最初は控えめに
 "口ずさんで"いたが、どんどんヒートアップし、もはや"熱唱"といってもおかしくないレベルだ。

「母さんっ、ちょっと音量落として!来週Decemberのインストだからワクテカするのも無理ないけどさ!」

 里沙は、少し離れたところでK-POPを物色している女子高生二人がクスクス笑っているのに気付き、声をひそめペコに注意した。

「あらっ!そんなに声大きかった?ごめんあそばせ!ほーっほっほ!ふんふん♪君をあーいしてるっあーいしてるっ♪」

 ペコは言われたそばから歌い始めた。
 里沙は注意するのを諦め、作業途中だったアイドルのCDのPR用のPOPに再びとりかかる。

「そういえば、千波ちゃん頑張ってるねえ」

 ペコは、歌うのをやめ話しかけてきた。

「そうだね。私もびっくり」
「最初はどうなる事かと思ったけど、ひととおり接客も出来る様になったし、あんたがインフルエンザで休んでた時にも何とかやってたからねえ」
「……その節は、ごめんよ母さん」
「まあ仕方ないじゃない病気の時は。
 それに、あんたが居ないからこそ、千波ちゃんも、自分がやるしかない!
 ――て覚悟を決めたのも良かったんじゃない?
 良いタイミングで、インフルになったわねえ?! 千波ちゃんが成長するきっかけになったし!これからバンバン病気しても平気やで?その分千波ちゃんがまた成長するし!オッケー!」
「そんなにバンバン寝込みたくないよ」

 話している間にPOPは完成した。

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