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sunset~君の光になりたい
第10章 罪作りなtouch
(――なんで……なんでこの人は――)
見上げたその瞬間、素早く顎を掴まれ頬にキスされた。里沙は呆然と彼を見詰める。
「あれっ殴られるかと思って、構えてたのにな――じゃあもう一回、いい?」
彼は肩に手を添えて、顔を近付けて来る。
「……調子に乗るなああ――こんの前髪男――」
里沙は武彦の背中を掴み引き倒し、背負い投げを決めた。
「ぐあ――っ!」
武彦は十メートル先まで飛んでいった。
ペコが目を白黒どころか血走らせ、叫びながら走ってきて武彦に駆け寄る。
「あああ!あんた何してんのよー?武彦さん!武彦さん!しっかり!」
ペコは彼の体をグラグラ揺らし絶叫する。
里沙の頬はまだ熱い。
武彦が触れた頬が。
彼がキスした頬。
(――武彦さんのせいで……っ)
この熱は当分冷めそうになかった。