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sunset~君の光になりたい
第11章 切ない黄金色

「……駅で待ち合わせは危険やな」

 その声に顔を上げようとする前に、力強い両腕で起こされた。

「ヒロさん……」

 千波は呆然と呟く。
 ヒロはベンチの荷物をひょいと持った。

「なんや、えらい重いな」

 彼は当然のように千波の手を握り歩き出す。

「あ、あの人……」

 千波は倒れて呻いている男性を振り返った。

「そんなんほっとけ。自業自得や。死にはせん!」

 ヒロは少し怒ったような声で振り返らずに言って、急に立ち止まる。

「……わりい。俺が遅れたのが悪いわ……
 ごめんな!本当はな、すっげー早くきて、 千波に
 "膝カックン"
 ドッキリかましてやるつもりやったんや!」
「……かっく?」
「ほら、あれやあれ!わからん?そうや」

 ヒロは荷物を置いて、お尻を向けて微妙に振り返ると、右手で自分の膝の裏を指してみせる。

「?」

 首を傾げていると、やけに真剣な口調で、

「ほら!ここをカックン てするんや!」

 と説明する。

「……こう?」

 千波は、恐る恐る彼の膝の裏を指でつついた。

「うわああっ!……指できたか……!指でやるか普通!?」

 ヒロは叫び、崩れた。




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