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第14章 過去を知る男

　千波は、thunderの曲を聴きながら出勤の身支度をしていた。
　最近の店は目の回るような忙しさだった。
　基本ペコがいて、千波と里沙、そして土日のみのバイトの学生の女の子が二人で回している。先日またインストアを開催し、今日もインストアがある。
　客が今までの五割増しは確実に増え、今のスタッフだけではきつくなってきたので新たに募集することになった。
　面接に何人か来ていたようだが、若い男性も居たらしく、千波は憂鬱になった。
　ペコが気を遣って男性スタッフを今まで入れていなかったのだが、いつまでもそういう訳にはいかないだろう。

(どんな人が来るのだろう……)

　考えただけで気持ちが重くなるが、仕事として割り切る他はない。
　ペコも、男性スタッフと二人きりというシフトは避けるから、とも言っていたし……