この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
sunset~君の光になりたい
第14章 過去を知る男
「里沙!」
里沙は突然立ち止まり笑顔で千波を見る。その表情は作り物のようだった。
「あー宮本ね、何を言ってんのかしらね!
あの頃あんたを虐めてたのは、気になってたかららしいけどさあ、未だにそうなんやないの?ワケワカメな事言って、気をを引きたいんよ!……あー!男って阿呆だわねえ!……
でもでも、OVEREARTHのタケヒコ様は別!……ううん……むしろタケヒコ様なら……阿呆でも許せるかもっ!ああ、ライブ待ち遠しい!
手紙書かなくちゃ!心を込めて、書道で書を 贈るわよっ!
何の言葉を書こうかしら……やっぱり
『愛』?
……きゃ――――ああ!」
身振り手振りを交えて殊更大袈裟に話す里沙を見て、千波は確信した。
(――里沙は必死にごまかしている。
何か隠している。
私が知らない、あるいは忘れている何かを……)