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sunset~君の光になりたい
第14章 過去を知る男
――思い出した。宮本君。小学校の頃私を苛めていた同級生だ……――
二年生の頃、特にいろいろとやられたような気がするが、細かいことは記憶にない。
「佐藤さ、お前まだ鈴木千波のお守りしてんの?鈴木も、どうなのあれから?」
彼がいきなり話をふってきて、千波はビクリとしてしまう。
「ちょっと宮本!」
里沙が千波を庇うように彼を咎めた。
「鈴木も大変だったよな~あんなエラい目にあってさ~男性恐怖症にもなるよな?」
宮本が軽い口調でそう言ったかと思うと、里沙が突然席から立ち上がり、彼の胸ぐらを掴み低い声で凄んだ。
「これ以上喋ったら……許さないからね」
宮本は、里沙の剣幕に鼻白み絶句した。
ちょうど電車が停まり、千波は里沙に手を引っ張られてホームへ降りた。
宮本が電車の中から、怪訝な表情で二人を見ている。
里沙は千波の手を掴んだまま、どすどすと早足で歩く。
千波の頭の中で、何かがひっかかっていた。
「ねえ、里沙」
「……」
里沙は答えない。
もう一度声をかける。
「宮本君が言ってた、私が遭ったエラい目……て……何の……こと?」
「……」
「私……宮本君に、苛められてそれで……男の人が……苦手になったんだよね?」
里沙は答えない。
――里沙が、私の問い掛けに答えないなんて……
二年生の頃、特にいろいろとやられたような気がするが、細かいことは記憶にない。
「佐藤さ、お前まだ鈴木千波のお守りしてんの?鈴木も、どうなのあれから?」
彼がいきなり話をふってきて、千波はビクリとしてしまう。
「ちょっと宮本!」
里沙が千波を庇うように彼を咎めた。
「鈴木も大変だったよな~あんなエラい目にあってさ~男性恐怖症にもなるよな?」
宮本が軽い口調でそう言ったかと思うと、里沙が突然席から立ち上がり、彼の胸ぐらを掴み低い声で凄んだ。
「これ以上喋ったら……許さないからね」
宮本は、里沙の剣幕に鼻白み絶句した。
ちょうど電車が停まり、千波は里沙に手を引っ張られてホームへ降りた。
宮本が電車の中から、怪訝な表情で二人を見ている。
里沙は千波の手を掴んだまま、どすどすと早足で歩く。
千波の頭の中で、何かがひっかかっていた。
「ねえ、里沙」
「……」
里沙は答えない。
もう一度声をかける。
「宮本君が言ってた、私が遭ったエラい目……て……何の……こと?」
「……」
「私……宮本君に、苛められてそれで……男の人が……苦手になったんだよね?」
里沙は答えない。
――里沙が、私の問い掛けに答えないなんて……