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彼方
第5章 調教
薫は優しくそう言ったが、


その実ちなみがオーガズムに飢えていることを見抜いていた。


狡猾な彼は彼女に絶頂ぎりぎりの快感まで与えたが、


それ以上は決して与えなかったのだ。


自分から欲しいと言うまで、ぼくのものはあげないよ・・・。


薫は内心ほくそ笑み、ちなみの出方を伺っていた。


ちなみは戸惑った。


薫は本心からそう言っているように思えたので、


これ以上おねだりするのは無礼なことのように感じられた。


でも、一度火をつけられた体はどうしようもなく絶望的なまでに、


絶頂を恋焦がれていた。


「そうだ、手足を自由にしてあげないと」


薫はちなみの四肢を縛っていた枷を解いてあげた。


そのとき彼は、彼女の膣が愛液で再び湿り気を帯び始めているのを見つけた。


ちなみは解放されると、たまらず薫の体に手を伸ばした。


「先輩、わたし・・・我慢できないんです・・・」
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