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情画
第5章 梟
「ママ〜
今日は何?」

「プリンにしたわよ。」

「あったかいのある?」

「もちろんあるわよ。」


実は出来立ての温かいプリンが好きだ。

もちろん冷やしたものも好きなのだけど、一度待てずに出来立てを食べさせたら、気に入ってしまったのだ。

プリンの時は、すぐに温かいのを食べて、宿題などをしてから冷やしたものを食べることになっていた。


「ママ、宿題朝顔の色塗りなんだ。」

実が神妙な面持ちで言う。

「実、絵を描くの好きじゃない。」

「だって僕、仕上がらなかったから、一人だけ宿題になっちゃったの。」

「あら、見せて?」

画用紙には本葉が出たばかりの朝顔があった。

「皆が変だって言うんだよ。子葉より本葉が小さいって…

だってこっちの葉っぱは僕の近くにあって大きく見えるけど、
向こうのは遠いし曲がってるから小さくなるでしょ。

だから、こっちの子葉より小さく見えるんだ。」


「そうね。本当の大きさじゃなく、見えた大きさで描いたのよね。」

そもそも構図の捉え方が変わっている。

普通なら葉が左右になるように置くだろうけど、実の朝顔は少しずれた前後に開いている。

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