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情画
第6章 夜明け
「僕、絵を描くの好きだよ。もっと教わって上手に描けるようになりたい。」

「そっか、実は絵を描くの好きなんだ。」

「だって面白いもん。」

「そうだね。じゃあ今度先生に聞いてみるよ。
すぐじゃないかもしれないけど、先生に教えてくださいって頼んで見るね。」

「うん、今からお家の朝顔描いていい?」

「いいわよ。どうしたの?」

「学校の朝顔の代わりにしちゃったから、ちゃんと描いてあげたいんだ。」

「そっか、お家の朝顔も実にちゃんと描いてもらって喜ぶね。
まずおやつにしようか。」

「今日のおやつ何?」

「ゼリーだよ。」

「やったぁ。」

実は涙を拭いてランドセルを片付けに行った。


スケッチブックから1枚はがし、実に渡す。

「ママ〜その本なに〜?」

「本じゃないよ。スケッチブックって画用紙が本みたいになってるんだよ。」

「僕も欲しい。いっぱい描きたいものあるんだ。」

キラキラと輝く子供の瞳って、どうしてこんなに綺麗なんだろう。

「今度、実のスケッチブックを買おうね。」

「うん。」

実はテーブルに置いた朝顔を嬉しそうに回して描きたい方向を決めていた。
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