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情画
第1章 再開
完成した作品を見ることを先生に焦らされて、引き伸ばされて、焦がれてここに見に来ていたことを思い出す。

沙絵さんが知ってか知らずか、同じことを言う。
父娘なんだな。
血は繋がらなくとも先生を見て育って来たんだなと思った。

しかし、芸術のジャンルとしてはかなり掛け離れている。

先生は、一瞬の美しさをそのまま描きとめる為に、素材を選ぶ。
その一瞬を留めるために命を削るような情熱を注ぐ。

沙絵さんは素材でなく、手段を選んだんだ。
一瞬をそのまま留めるためにカメラという筆を選んだんだ。

カシャッ…カシャッ…

考え事をしているうちに、沙絵さんが前に来ていた。

「ねぇ、いずみさん、色が消えちゃったわよ?」

先生と同じことを言う。

「さっきは、多分、お父様に施された縄化粧を褒められて、お父様の愛を感じて輝いていたわ。

ここも反応してたもの。」

沙絵さんが尖った乳房を握り、乳首を人差し指で転がす。

んんあっ…

仰け反って入った視界に、悔しそうな先生がいた。

ああ、先生、貴方に飾って貰った体、貴方に触れられるためにある体、どうかワタシを見て…

カシャッ…カシャッ…

「いいわね。いずみさん。分かりやすいしコントロールしやすいわ。」
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