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情画
第8章 別れ
「あ…」
「僕は沙織を失って、沙織との約束に固執するあまり、無理矢理沙絵を取り戻しました。
育てなければという義務感しかなく、歯車が噛み合わなくなり間違いを犯してしまった。
僕が父親として生まれたのは、あの日だったんですよ。
貴女を失って初めて沙絵の父親になったんです。
それからは本物の父娘として過ごしてきました。
1年前くらいからアメリカの話をするようになり、この4月に入って、いきなり約束を覚えているか?と言い出したんです。
忘れてはいないけれども、沙絵の方が忘れていてくれと願ってました。
全く普通に父娘として生活していたんです。
塀の外に出る。学校に通う。当たり前のことを取り戻すのに、沢山の時間と心を費やして何とかやってきたんです。
まさか、沙絵が言い出すとは思っていませんでした。
金曜日、食事しながら話したこと、母親のこと、誕生のこと、愛情という部分でまだまだ足りていなかったのだと思い知らされましたが、
沙絵にしてみれば、その確認の一つの手段だったのかもしれませんね。
実際誕生日に、いざとなると、もう娘ということが先にたち、全く抱くことができなかったんですよ。」
「僕は沙織を失って、沙織との約束に固執するあまり、無理矢理沙絵を取り戻しました。
育てなければという義務感しかなく、歯車が噛み合わなくなり間違いを犯してしまった。
僕が父親として生まれたのは、あの日だったんですよ。
貴女を失って初めて沙絵の父親になったんです。
それからは本物の父娘として過ごしてきました。
1年前くらいからアメリカの話をするようになり、この4月に入って、いきなり約束を覚えているか?と言い出したんです。
忘れてはいないけれども、沙絵の方が忘れていてくれと願ってました。
全く普通に父娘として生活していたんです。
塀の外に出る。学校に通う。当たり前のことを取り戻すのに、沢山の時間と心を費やして何とかやってきたんです。
まさか、沙絵が言い出すとは思っていませんでした。
金曜日、食事しながら話したこと、母親のこと、誕生のこと、愛情という部分でまだまだ足りていなかったのだと思い知らされましたが、
沙絵にしてみれば、その確認の一つの手段だったのかもしれませんね。
実際誕生日に、いざとなると、もう娘ということが先にたち、全く抱くことができなかったんですよ。」