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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第8章 ノエル=シューヴルーズ
 見たところ仲間達に致命傷や重体のものはいないらしい。ならば謎の襲撃者達の遺体と遺留品は馬に乗せて持ち帰るだろう。護送車が来るまでの邸内の警備は隊長と副隊長が揃っていれば不安はない。

(でも……このままでは)

 ノエルの脳裏にあったのは本件の中心人物であるピエル・ド=ダンバジャンとそれを取り巻く人間関係だった。

 枢機卿の子息なのだ。通常手を出せる相手ではない。いきさつはどうあれ、こうなってしまった以上、遅まきであっても根回しをする必要がある。そしてそれができるのは自分しかいないことをノエルは心得ていた。

 発煙銃アルカンシエルによる情報伝達を主な役目とするノエル。それは、安全なその役目を娘に与えるため父が銃士隊に圧力をかけた結果であり、ノエルは内心それをよしとはしていなかったが、娘を心配する親の愛情も一方で理解していたし、自分が前線で指揮をとったり戦ったりした所で果たせる事は少ないと知っていた。

 隊長であるカテリナのような統率力も、ナルシャのような剣の技巧も、カーラのような膂力も自分にはない。

 それよりもノエルは自分にしかできないことがあり、それがこそが自分の価値であるとわきまえている。

(この件、扱いを間違えれば大変なことになりますわ……)

 頭の中に枢機卿を中心とする政界の人脈の繋がりを展開する。押さえるべきはここと、そこ、そしてあそこ。

 自分は世の中の事を知らない女ではない。

「わたくしは一足先に戻って連行の受け入れに備えます!」

 そう言って優雅な身のこなしでひらりと鞍に飛び乗るや、一目散に馬を駆けさせた。

 目指すは王宮、枢機卿の執務所、パレ・ド・カディナールだ。
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