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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第16章 汚辱の二銃士
「では、お荷物は私がお部屋のほうに運んでおきますので、ピエル様はここで検査の続きを……」

 そう言って所長はカテリナを検査台から引きずりおろした。鎖の根元を掴んでぐいと引き、罪人を引っ立てるようにして歩かせる。

「ん……じゃあそうしてもらうかな」

 ピエルはまるで我が家の下男に使いをさせるかのような態度でカテリナを所長に任せる。

 脂ぎった顔に満面の下品な笑み。ちゃっかりとカテリナの乳房に片手をあてて揉みしだきつつ部屋を出る。

「どうぞ、皆さまもついておいでください。ご案内しますので」
「お、おう……」
「留置所の貴賓室ってのはどんな部屋なんだろうな……見たことねえや」
「……あってたまるかよ!」
「ひゃはは……」

 観光気分のピエルの取り巻きたちは所長と共に去り、室内にはピエルと医師の二人と、未だに床に四つん這いのナルシャ一匹だけとなった。

「なあ……アレ、置いてあるのはここなんだろ?」ピエルが医師に訳知り顔で尋ねた。

「アレだよ……こないだ入手が大変だったって言ってたじゃねえか。……コイツに試してやりたくてよ」と、ナルシャを見る。

「……ほう?」
「コレを……」と、ピエルは外套の下からかさばるものを取り出した。
「ほっほう、なるほど!」

 医師は合点が行ったようだった。

 ピエルが取り出したのはナルシャの二刀銃剣クロトゥ・バヨネットだった。
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