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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第16章 汚辱の二銃士
「こういうものも持ってきた」

 次いで張り型をふたつ取り出す。

「こうしてサーベルの部分を外して……」

 ピエルの手の中でクロトゥ・バヨネットは剣の部分を張り型へと交換され、珍妙な大人の玩具へと姿を変えてしまった。

「で、お前のアレを使えば……」
「なるほど、なるほど! それは興味深い……面白そうな実験になりますな!」

 この二人、実は長年の付き合いがあった。

 留置所の医師として勤めるこの老人は人体の改造や奇怪な生物の研究に手を染めた猟奇的な科学者であり、もっぱらその成果はいかがわしい場所で興行的に披露され、次なる研究費用を稼いでいた。そしてその淫らな秘密のショーを裏で仕切っているのがピエルだったのである。

 医師が検査室の奥の物入れからガサゴソと何かを取り出す。

「おい、ナルシャ。お前は台に乗れ……そうじゃねえ、寝ろ、仰向けにだ。そう、で股ぁおっぴろげてろ……」

「はっ、はい……ご主人様」

 言われるがままに検査台に背を預け自分の両下肢を抱えて大きく開く。ピンクの肉裂と銀の茂みが惜しげもなく曝される。

 そこに医師が指につまんでいた物体をかざしてみせた。

 それは、鼠ほどもあろうかという巨大な蟲だった。ダンゴ虫のような形状である。両脇を医師の指でつままれ、その腹の下では無数の短い脚がのたうっている。

「新大陸アマゾナの密林で採集された奇蟲ですじゃ……ご所望はコレですな」

「そうそう、それだよ!」
「おっとピエル様、指を近づけないで下され! 危険ですぞ……こやつは不用意に近づいた生き物に寄生いたしますからな」

 言われてピエルは慌てて指をひっこめる。
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