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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第2章 カテリナ・ラ=フェール
「王都守護銃士隊……推参!」

 硝煙と砂埃が晴れ、マスケット銃を構えた一部隊が姿を明らかにした。その隊列の後ろで馬に跨り指揮を執るは、思わず見惚れてしまいそうな麗若き美女。

「銃士隊長カテリナ・ラ=フェールである! 王都の膝元を脅かす無法は断じて許さぬ!」

「カ……カテリナだあっ!」
「銃士隊がいやがった……やべえっ」
「第二斉射、撃てッ!」

 並んだマスケットの筒先が火を吹く。

「があっ!」
「ぐあああっ!」

 混乱に陥ったところへ抜剣した銃士達が襲い掛かる。ならず者達は切りつけられ、殴り飛ばされ、蹴り倒され、次々と捕縛されてゆく。しかし一部の者がなんとか乱闘を切り抜けて仲間を尻目に逃げ出した。

 追おうと駆け出す副官を制してカテリナが号令を発する。

「信号弾!」

 バシュ……

 青空に鮮やかな色の煙が撃ち上げられた。応じて、新たな銃士の一隊が逃げる野盗達に立ちふさがる形で現れた。

「ダメだあっ……」
「こ、こっちにも……」
「完全に包囲されちまってるっ!」

 タタタタタターン!

 斉射はそれで最後だった。

 戦意を喪失した野盗たちを縄で縛り上げ、颯爽と去ってゆく銃士隊の鮮やかな仕事ぶりに、村の住民たちの惜しみない喝采の声が遠くの山々までこだました。
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