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第3章 堕ちる女隊長

　激烈な情欲に刺激されて湧き出した唾液は流れ出すインパラの血だ。
　ライオンがじゅるじゅるとその生き血を吸い、撒き散らす。

　びしょびしょに濡れた震える愛肉は抵抗する力を失い、もはや味わわれるままにその裏も表もねぶり倒されるのみとなる。

　ピエルの舌の動きを感じるたびに、快感は脳に突き刺さる甘美な牙となってガクンガクンとカテリナの腰を落とさせる。

　れろっ……るれろっ！　くちゅ……ぴちゃぴちゃ……れろっ！

「ん……んふっ！　ウゥン……」

（ダッ……メ……こんなの……っん！　ダメ……ダメダメ……ん……あッ！……きっ、気持ちいいっ！）

　蹂躙を終えた満足気なピエルの舌先に愛肉の腹を撫ぜられ、カテリナはその密やかな触り心地に思わずうっとりとさせられてしまう。

（ダメだっ……流されるな！）

　しかし、出来ることと言えば眉間に眉を寄せ硬く目を閉じ、ともすれば浮かべそうになる愛欲の表情を堪えることが精いっぱいだ。そして堪えようとすればするほど淫らな情欲がいっそう激しく、狂おしく女体をさいなむ。

（ああ……私、どうなってしまうの？）

　注ぎ込まれたロージェヴィツが確実にカテリナの胃の腑へと流し込まれたのを待っていたかのように、ようやくピエルがカテリナの唇を解放した。

「プフゥーッ！　身動きのとれねえ女の唇ってなんでこんなに美味いのかねェ……お前も美味かったろ？」

「カハッ……」

　むせ返りながらも、カテリナはピエルを睨み返す。

（み……認めるものか！）