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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第3章 堕ちる女隊長
「こ……こんなもの……気持ちが悪いだけだ!」
「そうかな? フフッ、いやあそうかもね……」

 見透かしたような余裕綽々のピエルの薄笑いにカテリナはカアッと顔が火照るのを感じた。そして内心の動揺を隠すために慌てて約束の履行を迫る。

「さあ、誓いの口付けは済んだ! 市民に呼びかけを……」
「はあ? 何言ってんだお前?」
「だからお前の妻となる証はこれで充分だろう……」
「はあ? は……! ハハッ! ブワハハハハハハー!」

 いぶかしむカテリナをよそに、ピエルは哄笑を弾けさせた。哄笑は爆笑となり止まらなくなる。

「ギャハハハハハハハハハハーッアッアッウッギャーハッハッハッハッハ!」

「なっ、なにが可笑しい!」
「ちょ……マジにハラ痛ェ……ブッ! つ、妻ァ……妻って! なにお前、俺様がお前を娶るとでも? おまっ……ちょ……何様? ブッ! ウヒッ……ダメだ……死ぬッ! アヒャッ……アヒャヒャヒャヒャヒャ!」

 涙を浮かべてピエルは本気で笑い転げる。カテリナは茫然としたまま置き去りだ。

「そっか、俺様のモノになるって……確かにそーいう意味もあるかもなぁーッ! いや、あったよな! そーいう意味! あった、あった! す、すまねぇ……ちょ……グヒッエヒヒッ! ごめ……そーいう発想はなかったわ」

「で……では今の口づけはなんだというのだ……」
「ヒィーッハッハッハ……」

 カテリナの問いにピエルは笑いを押さえるのに必死で答えられない。しばらくして立ち直るとニヤケた顔でこう告げた。

「……ロージェヴィッツはただ女をトロけさせるだけの媚薬じゃねーんだよ」
「……?」
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