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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第2章 桜の木の下で

………酔いがまわって、思考の回転速度が落ちているとはいえ

誘ってる?って聞かれてから、キスって単語に行き着くまで
5秒とかかっていないはずだ。


「………!!」


だから

離そうとした体を、再びぐっと引き寄せられて

綺麗な顔が近付いてくる数秒の間も

頭の中がショートした私は、心も体も完全に固まっていた。


「………っ」


………綺麗。

そう、彼の顔を言葉で表すなら、まさにその一言で

一瞬で目を奪われて、見惚れてしまったんだ。


「……抵抗しなくていいの?」


そう聞いてくる彼の額と、私の額がくっついた。

暗いから、はっきりと分からないけど

僅かに街灯の光が届くその前髪は、色素が薄くて、金色に輝いている。

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