この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第9章 その時が来るまで
俺が顔を上げると同時に、2人の女が発狂する。
「アタシ聞いてないけど!?」
「どこからのネタ!?」
「いや、私もさっき知ったんだ。
グラフィック科の子から得た新情報!」
……本人がここに居るっていうのに、3人で盛り上がる女達。
って、今の話は俺も初耳だけど。
この前の土日っつーか、先々週もうちに来たから2週連続なわけで
誰かに見られる可能性もあるっちゃあるわな。
……玄関のドアを開けて
駅の方向へ、ダッシュしていった後ろ姿が脳裏に蘇る。
「……ははっ」
再びパーカーを羽織って、1人で思い出し笑い。
残念だったね~、春ちゃん。
駅まで送るって言った俺を制止して
誰かに見られたら大変だからって、1人で帰ったのに。
どうせ見られてたなら、手ぇ繋いで堂々と歩けば良かったな。