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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第10章 目撃
今までの、私だったら
冗談だとしても、遼くんの奥さん話を聞くのが辛かった。
左薬指のマリッジリングを見る度に
皆が楽しそうに笑う度に、どんどん胸が痛くなって、耳を塞ぎたくなってきて
………でも、今は
「……ふふっ///」
昨日の日曜日、水族館デートを思い出して自然とニヤけてしまう。
結局、ユキはペンギンと交信も会話もすることは出来なかったけど
歩きながら披露する動物達のモノマネは絶品で
笑い過ぎて、お腹が捩れてしまいそうだった。
……週末、もう3週連続でユキと過ごしてる。
それでも、もっと彼の笑顔を見たくて
もっともっと、逢いたくなってしまう。
……ユキと体を重ねる度に、心が満たされていく。
「…………」
……私、もしかしたら
本当に、ユキの事を好きになってる……?