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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第13章 2人の秘密
………さっき、お墓の前で
楽しそうに笑い合っていた、遼くんとユキの笑顔を思い出す。
私といる時とは、何かが違う……心が繋がってるような
2人の間に絆のようなものを感じたんだ。
遼くんと、ユキを
繋ぎ合わせたのは……
「……ユキ……」
彼がコーヒーを飲んだタイミングで、意を決して
私は体をユキの方へ向けた。
「……私……
ユキのお姉さんが、遼くんの奥さんだったこと……
す、すごく驚いて……」
「……うん。
言わなくて、本当にごめんね」
ユキは前を向いたまま、コーヒーをベンチの上に置いた。
「入学して初めての講義で、春ちゃんが助手として挨拶した自己紹介。
週3で働いてる会社名と仕事内容を聞いた、あの時から
もしかしてたら……って、意識してた」
「………!」
ドクンドクンと、全身が波打つ。
ユキが、私に視線を向けた。
「桜の木の下……俺の腕の中で
“ 遼くん ” って、春ちゃんが無意識に口にした時……」
「………っ」
「やっぱり義兄さんの近くにいるんだって
……予測が、確信に変わった瞬間だった」