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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第13章 2人の秘密
……遼くんの、7回目の結婚記念日
寂しさを忘れたくて、女友達と飲み過ぎて
偶然出会った、あの日に
ユキは、私と遼くんの関係を察したんだ。
「………っ」
今日までの出来事が、急激に脳裏に浮かび上がる。
酔った勢いで、ユキを私のマンションに連れて来て
私を抱きしめながら、彼が言った言葉……
“ 桜の花を見上げていた……あんたの目がすごく悲しそうだったから
ちょっと“感情移入”して、離したくなくなった ”
「……ユ、キ……」
3号館の図書室に呼び出されて、彼女になってって言われた時も
戸惑う私に、彼は切なそうに微笑んでいた。
“ 寂しい時、あるだろ?
……寂しくて、悲しくて
眠れない夜が、“春ちゃんにも”あるはずだよ ”
「………っ」
……体が、震えて止まらない。
……私……
どうして、その言葉をもっとちゃんと聞かなかったの?
……悲しくて
寂しくて
眠れない夜を過ごしていたのは
私だけじゃなかったのに……