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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第16章 サヨナラ、春ちゃん
* * *
“ 7号館の、屋上。
外階段を上って、さらに上に続くハシゴがあるから、そこで集合ね ”
午後の3時。
……男の文字とは思えない、綺麗な綴りのメモを握り締めて
私は研究室のデスクから立ち上がると、教授と姉さんの元へと足を進めた。
「すみません、ちょっと出てきます」
「え!? あ、もう3時?
春菜ちゃん、お昼まだ食べてないよね?」
「はい、今日は最後なので学生と一緒に……」
「了解了解!
学食でオマケしてもらっておいでよ♡」
壁にかかっている時計を見てから、姉さんはニコッと微笑んだ。
「今日、送別会6時から予約してるからね!」
「はい、ありがとうございます」
「……って、なんだか体調悪そうだけど……大丈夫?」
私の顔を覗き込む姉さんに、こくんと頷いて
私はカーディガンを羽織って、屋上へと向かった。