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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白

……更にキツく抱き寄せられて
私の体は、遼くんの腕の中に包まれる。
「……遼、く……」
震える両手で、遼くんのシャツを掴んだ。
「……違う…よ、遼くん……」
「………っ」
「……私のこと、好きにならなくて……いいんだよ。
……っ 私は…」
「春菜……」
「………!」
「……春菜、春……」
「………っ」
……7年間、ずっと夢を見てきたの
いつか遼くんが、私だけを見てくれて
私を好きになってくれることを……
「……っ …遼くん……!」
私は遼くんの背中に手を伸ばした。
遼くんが、私を抱きしめてくれている
5年間、独りだった遼くんの想いが伝わってくる
……だけど
心が痛くて、痛くて堪らなくて
涙が溢れて止まらなくて
この時の私は
遼くんを想う、確かな愛を感じながらも
最後に見た、ユキの切ない微笑みが
頭から離れなかった
“ ……次にどこかで再会する時は
お互い、笑顔で逢おうね ”
……ごめんね、ユキ……

