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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
……私は弱くて臆病で、何の取り柄も無いけど
かけがえのない、素敵な人達に出逢うことができた。
男気溢れる、かっこいい沙月
美しくてセクシーで、誰をも虜にする宮本さん
グイグイ引っ張っていってくれる、尊敬する姉さん
……そして
太陽みたいに明るくて、暖かい笑顔をくれるユキ
彼らに与えてもらい、学んだ全てを
私が出来る精一杯の愛と光に変えて、遼くんに伝えたい。
……遼くんに、何かをしてほしいんじゃない。
ただ、私は……
「……遼くんの、傍に……
……っ」
……言い終わらないうちに、ぐっと手を引かれて
私の体は、遼くんに抱きしめられた。
「………っ」
背中に回された手の力が、苦しいくらい強くなって
目の前の全てが滲んで見えなくなってしまう。
「……桜……」
私の頭の上で
奥さんの名を呼ぶ、遼くんの掠れ声が響いた。
「許してくれないって、分かってるけど」
「………っ」
「……俺
春菜を、好きになってもいいか……?」