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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第19章 今夜だけ、許して…
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『……お前、やっぱり変な奴だな』
…… “ 面白い奴 ” から、やっと “ 春菜 ” に昇格したと思ったのに
結局、初めて会話した時と同じ呼び名に戻ってしまった。
……だけど
大学3年の終了制作を、目の前にした今
またしても私の腰は抜けてしまって、身動きすらできない。
『何時間そーやって見てるつもりだよ』
『…………』
『いいかげん飽きねぇの?』
『ちょっと静かにしてくれませんか?』
『………!』
『集中してるので、話しかけないでください』
床にペタンと座る、私の後ろに立っているのは
作品を作った本人だというのに
私は振り向きもせず、放心したままそう言い放った。
『こんなに、素敵な桜……見たことない……』
『………』
『……どうして、こんな美しい色を創り出せるの……?』
……この時の私は
遼くんが手掛けた、桜の木のオブジェを見て
なぜか、涙が止まらなかった。
……私が、今までで1番好きな遼くんの作品だった。
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