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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で
「……ユキ、設計とか建築に興味があるの?」
海を見つめる綺麗な横顔を、そっと覗きこむ。
「無いって言いたいところだけど、残念ながらそうかも。
研究室の “ 姐御 ” がしつこくて」
「………!」
「留年するぞって脅されて、色々やらされてさ。
最近は俺、皆勤賞ってくらい真面目な学生だよ」
「……そう、なんだ」
「ほんとパワフルな人だよね、竹中さんって」
「………」
……あ、れ?
ふっと微笑むユキを見て、どうしてかチクンと胸が動いた。
って、いやいや。
違うでしょ私。
「……姉さん、ユキのこと気にかけてくれてるんだ」
「っていうか、俺ちょっと弱みを握られてて。
あの人と俺だけの秘密なんだけど」
「………!」
「研究室にこっそり入れてくれるから、文句言えないんだよね」
「……えっ?」
「教授に内緒で、コーヒー奢ってくれるんだよ。
いいでしょ♪」