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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で
堰を切ったように、心の叫びを続けていたユキが
目を閉じて、顔をゆっくり下に下げた。
「……なんで、言わせるんだよ」
「………!」
「年下って感じさせないように、精一杯演じてたのに。
……かっこわる……」
「………っ」
絞り出すように、小さな声でそう言ったユキが
……なんだか、消えてしまいそうで
その体に思わず腕を伸ばそうとすると……
「……好きなんだ」
「………!」
「離れてみて、改めて分かった。
どうしようもなく……春ちゃんを愛してる」
……その時
カフェのある方から、砂浜を踏み潰す音が聞こえてきて
その足音が、だんだんと近付いてくると
頭を下げたまま、ユキは震える声で続けた。
「……ごめんね、義兄さん……」