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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で
私の涙は、指で拭うだけでは納まらなくて
「こら、言った傍から泣くなよ」
「……っ だ、だって…」
「ったく仕方ねぇなー」
遼くんは苦笑しながら、私の頭をポンポン叩いた。
そして、そのまま軽い力で私の顔を上げさせると……
「……春菜、俺さ。
生まれ変わったら、また嫁と一緒になるって約束したんだ」
「………!」
「だから、すげー勝手な事言うけど
来世の、また次の来世で、俺の女になってくれない?」
「………っ」
「もしその時、雪斗が居たとしても
次は無理矢理にでも、お前を俺のもんにするから」
……遼くん……!
胸がきゅうっと締めつけられて、全身が震えてしまう。
髪を撫でる優しい手が、温かくて
もう涙腺が完全に壊れてしまった。
「……そ、そんなの、ほんと勝手だよ…っ」
「ははっ、だって悔しいじゃん。
俺より9つも若い、超絶なイケメンに差し出すんだから」
「………っ」
「これくらいの失言、許せっての」