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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で


「……敵わないな、あんたには」


海風に吹かれて、意地悪く笑う遼くんの隣りで

目を擦って涙を拭ったユキが、小さく溜息を漏らした。


「紹介しようか、義兄さん」

「あ? 紹介?」

「来世とか言う前に、今のこの世に1人オススメがいるよ。
春ちゃんとは見た目も性格も反対だけど」

「………」

「すっごくいい女。
春ちゃんの次にだけど」


目を逸らしたままユキがそう淡々と言うと、遼くんは大袈裟に両手を広げた。


「それってお前の友達?
さすがに一回りも上は対象外じゃねぇか?」

「違う、竹中さんだよ」

「……誰だそれ」

「空デの助手さん。
あんた同級生だっただろ」

「あぁ、あいつか」

「彼女、今フリーだって」

「へー」


胸の前で腕を組んだ遼くんは、少し考えるように目を瞑ったけど


「あいつは無理だな、タイプじゃない」

「………!!」

「つーか抱ける気がしねぇ」

「ちょ、ちょっと遼くん!!」

「……義兄さん、そう思っても素直に言うなよ……」


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