この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第5章 誘ったのは、私です
………そんなわけない。
大学1年から4年まで、毎年入れ替わる学生達の名を把握することなんて不可能だ。
覚えてるとしたら
成績優秀者とか、逆に課題を提出しない問題児とか、仲良くしているゼミの子達とか……そんな感じ。
だけど、彼の場合は……
『……あなた、有名だもの』
教授や助手といえども、所詮は女であるということ
中学や高校と違って、飲みの席で女子トークをするくらい、学生達と近い距離であることから
空間デザイン科に、群を抜くイケメンがいるということは噂でよく耳にしていた。
………でも
実物がこんなにカッコイイなんて、思ってもみなかった。
『俺、ほとんど大学来てないのに有名なんだ。
知らなかった』
理由を聞かずにトボける感じが、モテ慣れてる証拠。
『あんたも割と有名だよ。
綺麗なお姉さんって代名詞で』
『…………!』