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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第5章 誘ったのは、私です
整った顔に見惚れていると、左手で腰を掴まれて
膝を立てて座る彼の足の間に、ぐっと引き寄せられた。
『俺、あんたのこと講義の時しか見たことないから
もっと落ち着きのある、大人のオンナって感じがしてたけど』
『………!』
『全然違うのな。
……7つも年上って気がしない』
濡れてスタイリングのとれた彼の髪から、滴がぽたっと落ちていく。
優しい眼差しとは裏腹に、がっちりと抱えられた腕はびくともしない。
『あ、あの……!』
近付いてくる彼の顔から、慌てて視線を逸らした。
と、とにかく落ち着かなきゃ……!
『わ、私、今日は大学時代の友達と、大学の近くで飲んでて……』
『うん、聞いたよ。
それで酔っ払って、1人で公園にふらふら入ってきたんじゃん』
『で、ですから、こうなったのは……』
『キス、気持ちよかった?』