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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第5章 誘ったのは、私です
「……す、すごく……体が熱くて、変になっちゃったんです」
「………!」
「男の人を家に連れてきたのも、あ、あなたが初めてでして……」
「………」
「自分の心も、体も、自分じゃないみたいで……」
そう、あの夜は酔っ払ってたし
感傷に浸ってたし、情緒不安定だったんだ。
「……で、ですので……
忘れていただけませんか……」
取消しすることはできないけど、また元通りの生活に戻る為にリセットしたい。
ここに来たのは、そのことを伝える為だ。
年下に敬語を使ってるのは、せめてもの誠意。
「…………」
な、何か言って……
おずおずと頭を下げて、永遠にも感じる沈黙に耐えていると
「……やばい」
「………!」
……えっ!?
驚いて頭を上げようとした瞬間、背中に回された腕に抱きしめられた。
「ちょ、ちょっと何す……っ」
「ははっ、どーしよ。
マジで可愛いんだけど」
「~~~~!?」
ぎゅうっとさらに力を入れられて、抵抗する隙間も無くなってしまう。