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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第7章 眠れない夜に、温もりを
「蓮見」
遼くんが来てから、1時間くらい経ったところで
指で煙草の灰を落としながら、宮本さんが私に声をかけてきた。
「今夜はもう帰りな」
「……えっ?」
「沙月、お前駅まで送ってやれ」
……え?
ど、どうして?
私が驚いて顔を上げたと同時に
突然言われた沙月も、目を丸くして宮本さんを見る。
「何よ急に」
「これ以上飲まない方がいい。
体調悪いんだから、無理するな」
「………!」
「え!? そうなの!?」
さらにびっくりした顔をして、沙月が私の方に振り返った。
部長に呼ばれて戻ってこないままの、遼くんをちらっと見てから
宮本さんは店員さんに、預けたスプリングコートを持ってくるように告げると
私をじっと見つめて、小さく頷いた。
「加賀谷には俺から言っておくから
そのまま行っていいよ」