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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第7章 眠れない夜に、温もりを
お店から最寄りの駅までは、歩いて5分とかからない。
正直、送ってもらわなくても問題ない距離だ。
あっと言う間に駅のロータリーに辿りついた。
「……ごめんね、春菜」
私の手をぎゅっと握って、ずっと項垂れて歩いていた沙月が
立ち止まると同時に、更に深く頭を下げた。
「………!
ちょ、ちょっと沙月?」
ギョッとして沙月の肩を起こさせる。
「何よもう、どうしたの?」
「……体調悪かったのに、誘ったりしちゃったから……」
「………!」
「気付かなくて、本当にごめんなさい」
しょんぼりとする沙月の瞳は潤んでいて、今にも泣き出してしまいそうだ。
そんな沙月が可愛くて、なんだかキュンとしてしまう。
「もぉ~、酔ってるの?
宮本さんはあんな風に言ってたけど、私は元気だよ?」
「……でも……」
「確かにちょっと飲み過ぎちゃったから、早めに切り上げて良かったけど。
でも、ほんとに何でもないから大丈夫!」