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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第7章 眠れない夜に、温もりを
ま、待って……ここは大学じゃない。
混乱して、軽く眩暈がしてくるけど
……さっきまで会社の飲み会だった。
当たり前だけど、今日は金曜だ。
それなら、何故……?
「ユ、ユキ……あなた一体……」
「どうして、俺を呼ばないの?」
ホットコーヒーを持った方とは、反対側の手で
ユキの冷たい指が、そっと私の頬に触れる。
「眠れない夜は、1人でいたらダメでしょ」
「…………!!」
「今夜の俺は、“ 春ちゃん温め隊 ” として参上しました」
私の頬を、手のひらで包むと
そこまで、真剣な眼差しだったユキの表情が
ふっと、優しい微笑みに変わった。
「……なんて、本音言うと
ただ単に、俺が春ちゃんに逢いたかっただけなんだけどね」