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退魔風紀 ヨミ ~恥獄の学園~
第2章 「わかったわ……」
「わかったわ……」

 詠は承諾の言葉を口にした。

「本当かお?」

 ギニーが疑い深く詠の顔を覗き込む。詠は強い意志の宿った瞳でギニーを見つめ返す。

「ええ……本当よ」
「本当の本当かお? 約束するかお?」
「約束する……」

(……わけないでしょう!)

 詠はそんな馬鹿げた取引などに乗るつもりはなかった。媚薬を飲まそうとする際に、ギニーは押さえつけていた手を離すだろう。その時がチャンスだ。あくまでも隙を作るための言葉だ。誰がこんな卑怯者に屈するものか。

「よーし、そんならまず……」

 ギニーが身を離した。両腕が自由になると同時に詠は素早く印契を結ぶ。

「遮……!」

 しかし――

《我、契約ノ証人ナリ!》

 詠の頭の中で不思議な声が響き渡り、電撃のような激しいショック襲われ、詠は床を転がった。

「キャアアアアアアアア!」
「や~っぱり騙そうとしてたかお……」

 電撃が途切れる。

「うぐうっ……」

 見ると、ギニーの首飾りが不思議な光を発していた。

「今のはこの首飾りの力だお! ビオンの証人っつーんだお……約束を守らないとビリビリくるんだお! 心にもないことを言う相手にはおしおきだお! 嘘をつくなんて……」

 ギニーは足元に這いつくばる詠に憤りと軽蔑の眼差しを向けて言った。

「……卑怯な女だな、お前」
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