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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯
「化粧品容器の梱包、時給1800円。工事現場のガードマンは日給20000円…」
今日は朝から職探し。
求人広告を見ながら必死に仕事を探した。
出来るだけ高時給の仕事の方が有り難いが、あまりの数の多さに目が回ってしまいそうになる。
黒埼さんと会ったあの日から早3日が過ぎた。
…あれから、黒埼さんからの連絡はない。
もちろん、ハルちゃんからの連絡もない。
あれほど騒がしく鳴り続けていた携帯も今は静かになった。
人の噂も75日とはよく言ったものだ。
…ハルちゃん、どうしてるかな?
一言だけでも謝りたいのに、何度電話しても繋がらない。
ハルちゃんの職場もわからないし、ハルちゃんの家には固定電話もないし、連絡の取りようがない。
それに、黒埼さんと桜木さんの関係もわからない。
あの時の黒埼さんの態度からして黒埼さんと桜木さんが知り合いなのは事実だ。
でも、どういう繋がりなのか、どの程度の知り合いなのかがわからない。
うちのお父さんみたいに昔お世話になった人?
それとも、仕事関係の知り合い?
……違う。
黒埼さんは私に、桜木さんとは関わるなと怒鳴った。
それも、凄く怒ったような口調で。
関わるなも何も桜木さんの連絡先を記したメモは黒埼さんに取り上げられてしまったし、連絡の仕様がない。
仕事を探したり、他にも考えなきゃならないことがいっぱいで私の頭の中は既にめちゃくちゃ。
今1番大事なのは生きていく為に仕事を探さなきゃいけないこと、なのに全然集中出来ない。