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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯





黒埼さんは、相変わらず私に秘密を作ってる。

私には何も言ってくれない。

私は黒埼さんの事を深く知らないし、探る気もない。




黒埼さんに好き勝手にされるだけだけど、私はいつも待つ身だ。

黒埼さんの口からちゃんと聞かせてくれるまで、私はいつも待ってるだけ。

いつも、こうして1人で…。




それに、結局私と黒埼さんはヨリを戻したって事になるのかな?

でも、あの別れは私が一方的に告げただけに過ぎないし別れてたのかどうかも怪しい。

私が勝手にあたふたと慌ててただけの早合点に過ぎなかったのかな…。

だって、黒埼さんは私の話を真面目に聞いてくれないから━━━━━━








溜め息を付きながら求人雑誌を読んでいると…





プルルルル…、プルルルル…、プルルルル……

「…っ!」

突然鳴り出した私の携帯。

いい求人があればすぐにでも電話をしようと机の上に置いておいただけに間近で鳴ると驚いてしまう。

…というか、この間まで嫌がらせの電話が鳴り続けていたから未だに電話の音が怖い。



また、嫌がらせの電話?

恐る恐る携帯の画面を見ると、そこに表示されていたのは…。




プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…

《ハルちゃん 実家》




ハルちゃんの実家からの電話番号だった。

「……っ」

久しぶりに見れたハルちゃんの名前に心臓が高鳴った。






まさか…っ、ハルちゃん…っ!?

でも、どうしてハルちゃんの実家からなの?

ハルちゃん、もしかして実家に帰っちゃってたのかなっ!?

だから携帯にも出れなかったのかな…?

ハルちゃん…っ。




逸る気持ちを抑えながら、その電話に急いで出た。





プルルルル…、プルルルル…━━━「も、もしもしっ?ハルちゃんっ!?」


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