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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯
「どうして、桜木さんがっ━━━━ぁっ」
走行中の車。
運転中の桜木さんに掴みかかりでもしたら事故に繋がる。
言葉で問い詰めようとした矢先
「ど、して…、な、に…」
「よく効く薬でしょ?」
……眠い。
急に瞼が重くなって、頭の中が溶けて行きそうな感覚が…。
まさか、さっきのカフェオレに、何か入って…。
「ダメだよ。そんな簡単に人を信じたら…」
意識がなくなりそうになりながら見えたのは
不気味に笑う桜木さんの口元。
「さ、くらぎ、さ…━━━━━━」
背もたれに一気に倒れ込み、そのまま意識を失ってしまった。
鼻に残ってるのはジャスミンの香り。
黒埼さんのバラとは違う優しい香りだが、今は…
今は、黒埼さんのバラの香りが懐かしく感じた。