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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯
━♪~♪♪~♪~♪~♪♪━
着信音が聞こえる後部座席に顔を向けて視線だけでその着信音の主を探す。
この着信音はどこから…っ?
後部座席、ドアポケット、椅子の隙間など隈無くに渡り視線を動かしていると…
「あ……っ」
ドクッ…
運転席の後ろ、足元にチカチカ光るスマホが。
あれは…
そのスマホの画面には
"舞"
080-9876-XXXX
ドクンッ、ドクンッ…
心臓が激しく脈打つ。
私の中の警告音が鳴り響く。
これは、ハルちゃんのスマホ…?
「さ、桜木さん…、これ…?」
「どうかした?」
体が…、動かない…っ。
どうして、ハルちゃんのスマホが桜木さんの車に落ちてるの…?
どうして…っ
「どういう事━━━━━━」
その時、私はあることに気づいた。
そう言えば…
桜木さん、さっきハルちゃんのことを"陽人君"って呼んでた。
ドクンッ
ドクンッ
どうして桜木さんがハルちゃんの名前を知ってるの?
私はただ"幼馴染み"としか言ってないし、桜木さんの前で"陽人君"なんて名前で呼んだこともないのに…。