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BLACK WOLF~crime~
第8章 雨ノ夜
「その媚薬…、人間にも効くみたいだよ…」
桜木さんの瞳が不気味に光る。
ビクッ…
…まさか…
まさか、桜木さん…。
私の心臓が、今にも壊れそうなくらいドキドキと高鳴る。
嫌な汗が全身から吹き出てきた。
まさか、その媚薬を
ハルちゃんに…っ!?
絶滅の危機にある生物に飲ませる薬を、人間のハルちゃんに飲ませたってこと?
あのお粥に混ぜて…っ?
「ゲホッ、ゲホッ…」
今の話を聞いてたのかどうかはわからないが、先程より更に激しく咳き込むハルちゃん。
「何て事を…っ。ハルちゃんに何て事するんですかっ!?そんな訳のわからない薬をハルちゃんに…っ‼」
ずっと我慢してた怒り。
とうとう抑えきれなくなった私は桜木さんに掴みかかった。
両手で桜木さんの胸ぐらを掴みながら必死に怒鳴った。
カメラで撮影されようが何だろうが知ったことじゃない。
こんな人体実験まがいのことがよく出来るものだ。
ハルちゃんは桜木さんのモルモットじゃない。
人間にとって有害な成分でも入ってたら、ハルちゃんが…っ。
「いいのかな~、相沢さん。俺を責めてる暇はないかもよ?」
「なっ!?それ、どういう意味よ…」
「今にも理性の切れそうな幼馴染みを放って置いていいの?」
理性の切れそうな幼馴染み?
何のこと?
だってハルちゃんはあんなに苦しんで━━━━━
ニヤニヤする桜木さんを無視してハルちゃんの方へ視線を戻すと…