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BLACK WOLF~crime~
第8章 雨ノ夜

ハルちゃんの熱を計ろうとハルちゃんの額に触れた瞬間に、ハルちゃんに腕を引っ張られてそのまま押し倒されて

ハルちゃんが私の上にまたがってる。


ど、どうして、こんな状況…

ハルちゃん…。


涙目のハルちゃんの瞳は、まるで黒埼さんと同じ目…。

獲物を狩る狼のような目。

幼馴染みのハルちゃんが、今は何だ怖い…。

私の知ってるハルちゃんじゃ…ないっ!


「や、やだ…、ハルちゃん…、ど、どいて…っ」

腕を押さえられて身動きが取れない。

それでなくても怖くて、体が震えて…。


あ…、怖い…。


「よく効く薬だな。大事な女を奪われる瞬間を黒埼にたっぷり見せつけてやる…っ」



え…?

桜木さん、一体何を…、何の事を言ってるの…?

大事な女が奪われる瞬間、て?

…まさか…、まさか、ハルちゃん…?



「はぁ…、舞…っ」

「━━━━━━━っ!」

鈍感な私の頭でもこの状況がどんなものか察しがついた。

媚薬を漏られ、私を押し倒してるこの状況は…、まさか、ハルちゃん、私を…っ!?



━━━━━ドクンッ



ハルちゃんの腕が私のシャツを引き裂く。

大の男性に引っ張られ、脆い薄手の私のシャツは一気にビリッと音をたてて真っ二つに引き裂かれた。

下着を纏った上半身が露になる。


「い、いやっ!ハルちゃん、やめてっ!!」

「━━━━━っ!!」


ハルちゃんの熱い唇が私の唇に、首筋に、胸に触れていく。

幼馴染みのハルちゃんにこんな事…。

恐怖と恥ずかしさで心臓がバクバクと音をたてる。



「やめてっ!ハルちゃん…っ!」


ハルちゃんに襲われる私の姿を桜木さんはカメラで記録していく。

黒埼さんに見せつけるために。

家族を奪われたのと同じ苦しみを黒埼さんに味合わせるために。





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